静寂の中で眺める花火。
2010/08/19
ふうとも
みなさん、こんにちは。
お盆が明け、灼熱の日々は
あとわずかとなってきました。
お盆前後は、
例年、各地で競うように、
花火大会が開催される時期です。
大きな打ち上げ音と、
夜空に映える鮮やかな光色、
それでいながら、儚く消えてしまう——
こんなところに、
短い夏の終わりと、
秋への移ろいを感じられるからでしょうか。

【8月10日(火)19時48分、諏訪の高台にて】
われらが多摩でも、お盆前の8月10日に、
「せいせき多摩川花火大会」が開催されました(関連写真1、同写真2、同写真3)。
今回、わたしが鑑賞する場に選んだのは、
多摩市諏訪にある高台の上です。
わたしが居住する諏訪2丁目住宅は、
建て替えが決議され、
その実行に向けた準備が進んでいます。
計画通りに進むと、
来年、再来年のせいせき多摩川花火大会は、諏訪ではない地域の住人として
見る可能性が高いわけです。
そこで、
諏訪のどこかで見たい。
しかも、落ち着いて
花火を見ることができる場所として、
頭に浮かんだのがこの高台でした。
当日、花火大会の開始時刻から数十分遅れで
行ってみると、先客が十数人いました。
みんな同じようなことを考えるんですね。

【8月10日(火)19時48分、諏訪の高台にて】
諏訪の高台の上から見る花火は、
とても良いものでした。
とにかく静かなのです。
虫の音、風のそよぎ。
こんなものだけを耳にしながら、
ほど良い遠さで
打ち上がっている花火を眺めることができます。
花火大会に付きものの喧噪とは無縁で、
もし、ここで音楽を奏でるとしたら、
和笛一本のシンプルな楽曲などでしょうか。
ここで聴くのならば、
かのヘンデルも、
一本の弦楽器だけで
花火鑑賞向けの曲を
構成したかもしれませんね。
ヘンデルの管弦楽曲「王宮の花火の音楽」——
ロンドンの公園で開催された
オーストリア戦争終結を祝う花火大会向けに
作られた曲です。
野外ですから、
風が吹けば、音が流されてしまいます。
しかも、花火大会ですから、
多少のざわめきの中で演奏されるわけです。
朗々と響かせるために、
ヘンデルさん、
さぞ苦労したのではないかと思います。
序曲など、
冒頭から管楽器と打楽器のコンビネーションで、
吹きまくり、叩きまくってから、
ようやく彼らしいフレーズが出てきたりするのです。

【8月15日(日)20時44分、日産スタジアムにて】
「どどーん」、「ドドーン」。
日産スタジアム(神奈川県横浜市)の夜空に、花火が舞いました。
この日、
X JAPANが繰り広げた、
コンパクトながら、
すごく濃厚な演奏を締め括ったのが、
この花火でした。
とにかく高速で弾きまくり、
叩きまくっていた頃の彼らならば、
終演時のこの花火、
おそらく、洪水のように
大量の花火を一気にガンガン打ち上げる
演出にしたのではないかと思います。
ところが、
この日、打ち上げられた花火は、
5発ほどでした。
しかも、
1回1回、しっかり区切って、
ゆったりと打ち上げられたのです。
まるで、
「王宮の花火の音楽」に対する、
“静寂の中の和笛”のごとく。
なんだか、
以前に比べて、
音数を削ぎ落とし、
速度を緩めながら、
より重厚で、より深く、より濃密に
衝撃が伝わってくる
最近の曲や演奏に通じるような
花火でした。



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