2010/03/26

愛宕ミニバス、前進–今秋の試験運行開始に向けた住民主導の取り組み

多摩の愛宕・和田地区を巡回するミニバス(コミュニティーバス)を走らせる計画が今年、大きく前進する。住民主導で市やバス会社と連携しながら4年越しで進めてきた取り組みが、6月の市議会での予算審議を経て、秋の試験運行開始というかたちで実を結ぼうとしている。

多摩ニュータウン開発初期の1970年代から入居が始まり、住民の高齢化が進む両地区。聖蹟桜ヶ丘駅や多摩センター駅とは京王バスの既存路線で結ばれているが、距離的に最も近い永山駅に出る公共の交通手段がない。永山駅周辺に徒歩や自転車で買い物に出かけると、帰りは重い荷物を持って坂を登ることになり、お年寄りには特にこたえる。そうした事情から、多摩市ですでに2路線が運行しているミニバスの「第3の路線」を望む声が高まっていた。

そんな地元の願いを実現させるため、地元自治会の評議委員ら有志による「ミニバスを考える会」が2007年に発足。翌年には「ミニバスを走らせる会」と改称し、市の交通課とバス会社も参加するかたちで市内外の既存ミニバス路線の調査、地元の総意形成、ルートの絞り込み、路線コース試走といった取り組みを精力的に続けてきた。

走らせる会の竹内東朗会長は、「近くの市で同じように住民主導でミニバスに取り組み、10年がかりでようやく実現させた例もあるので、4年でここまでこれたのは順調だと言えるでしょう」と語る。ただし、試験運行開始の見込みが高くなったことで「現在、会のメンバーに“一服感”があるのも事実。でも、本当に大変なのはこれから」と気を引き締める。

竹内会長によると、6月の多摩市議会でミニバス試験運行関連費用500万円の予算案が審議され、これが承認されれば、正式に住民・市・バス会社(京王バスになる可能性が高い)の三者の取り組みになる。そのため、受け皿としての「運行委員会」を前もって組織する必要があり、会のメンバーが中心となって4月を目処に作る予定だという。

竹内会長はまた、「ミニバスについてできるだけ多くの人に関心を持ってもらえるよう、PR活動の強化が必要」と認識している。2月に公共施設「愛宕かえで館」で開催された公聴会では、運行委員会で実際どのような活動が行われるのかを、竹内会長らメンバー4名が壇上でそれぞれ運行委員長、事業部長、環境部長などを演じて寸劇風に説明する「模擬委員会」も披露された。

高齢のメンバーが多い「走らせる会」を、ITおよびソーシャルデザイン分野で支援しているのが、東京都市大学環境情報学部の小池情報デザイン研究室だ。支援の一例として、同研究室が作成した愛宕地区と路線の立体地図が2月の公聴会で展示されていた。

同研究室を指導する准教授の小池星多氏はこう語る。「愛宕地区はすでに路線バスが走っていて、外部から見ると新たにコミュニティーバスは必要ないようにみえますが、高低差の激しい地域なので(既存の)バス停から斜面を登らないと自宅の団地にいくことができません。この地域でのバスの必要性を可視化するため、愛宕の立体地図を作成しました」

会の発足当初から学生たちとともに支援してきた小池氏は、「地域の人々が自治体やバス事業者と対等に連携して、自分たちの手でバスを走らせようとする意欲に敬意を表します」と評価しながらも、「一方で小池研究室の得意分野である、ITによる情報伝達が愛宕の高齢者の皆さんにとっては非常に難しいことも実感しており、ITと高齢者の方とどのようにリンクすべきかが今後の課題」と指摘する。

また、たまプレ!オープン前に実施した今回の取材にあたり、当サイトの概要や意図を伝えたところ、小池氏からメールで次のようなコメントもいただいた。

今年は、これから愛宕の皆さんと御相談しないといけませんが、バスにのるためのモチベーションを高めるために、例えば、バスのルートである、京王永山駅の店舗の売り出しの情報などを「たまプレ!」さんなどを連携して発信して愛宕の皆さんにお届けできないかと考えています。

地域メディアへの期待が込められた小池氏からのエールと示唆に感謝するとともに、筆者もまた市民の一人として、愛宕ミニバスの進む道に引き続き注目していきたい。秋の試験運行開始は重要な一里塚になるはずだが、目標はあくまでも黒字化。なるべく多くの人に利用してもらい、持続可能な路線になることが望まれる。(高森 郁哉)

写真提供:小池星多氏

東京都多摩市愛宕地区/多摩ニュータウン ミニバスを走らせる会

東京都市大学環境情報学部 小池情報デザイン研究室

多摩市ミニバス

2010/03/25

桜名所を巡る「多摩桜ウォーク」参加者募集–28日に唐木田駅出発

多摩商工会議所は28日、多摩の桜の名所をめぐる「多摩桜ウォーク」を実施する。同商工会議所が進める「多摩桜プロジェクト」の一環で催すもの。多摩の桜を観賞しながら、桜を活かしたニュータウンのランドスケープ・デザインも専門家の解説付きで楽しむ趣向だ。

午前9時45分、小田急線唐木田駅前に集合。午前10時から歩き始め、川井家しだれ桜、鶴牧西公園・東公園、奈良原公園・宝野公園、多摩中央公園を巡り、午後1時にパルテノン多摩の大階段で解散の予定。参加無料。雨天の場合は中止する。

参加申し込みは、同会議所(電話042-375-1211)へ。インターネットでも専用フォームで申し込みを受け付けている。 多摩桜プロジェクトは、江戸時代から桜の名所として親しまれてきた多摩丘陵の歴史にちなみ、多摩市の桜文化を復権させ、「桜の美しいまち多摩市」を全国に発信するのが狙い。

多摩ニュータウン50周年、多摩市45周年、多摩商工会議所20周年という節目の年となる2016年を目標に、桜をシンボルにしたまちづくりの実現を目指す。2008年2月に多摩商工会議所内に実行委員会が設置され、プロジェクトが始動した。多摩の桜文化の調査をはじめ、桜の植樹、桜によるイベントや新産業の形成、桜ネットワークの構築などに、産学官と市民が連携して取り組んでいる。

今年3月には、プロジェクトの新たな推進役となる「多摩・桜人の会」(会長・坂田忠孝多摩商工会議所副会頭)も発足。古くから日本に自生する代表的な桜であるヤマザクラの保存育成や、国際宇宙ステーションに保管された、全国各地の桜の銘木の種から芽吹いた「宇宙(そら)桜」を多摩市内に植える事業などを進めてゆくという。(亀山 康江)

多摩桜ウォーク2010参加申込フォーム

多摩桜プロジェクト

2010/03/21

学生による地域研究発表会、27日に諏訪で開催

たま学生連合とNPO多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議は3月27日(土)、諏訪名店街内の公共スペース「すくらんぶる~む」で『私たちが学ぶまち2010』と題した研究発表会を開催する。午後1時30分から5時までの予定で、参加は無料。

共催に名を連ねる法政大学保井ゼミ、首都大学東京上野研究室、大妻女子大学松本ゼミの学生たちが、諏訪・永山地域や多摩ニュータウンにおける児童と高齢者の暮らしや環境について研究した成果を持ち寄る。3部構成で各グループが発表した後は、全体講評、意見交換、懇親会(参加費2000円程度)も予定されている。

同会議はまちづくりに関する行事を定期的に催しているほか、老朽化した住宅のリフォームなどを相互互助やボランティアなどで請け負う「困助(こんすけ)工房」や、コーポラティブ住宅のプロデュースといった取り組みも行っている。

『私たちが学ぶまち2010』の詳細

2010/03/01

たまプレ!について

 

今、多摩で起きていることを知りたい――。
そんな思いから、このサイトは生まれました。

長引く不況、少子高齢化といった全国共通の問題に加え、
計画・開発から半世紀を経た団地の老朽化という
固有の問題も抱える“ニュータウン”。

たしかに地域の商店街を歩くと、日中も閉ざされたままの
シャッターが目立つけれど、空き店舗のスペースを活用した
まちづくりや福祉の集い、催しなどに出会うことも。

廃校になった小学校の校舎はコミュニティービジネスや
NPO、市民団体の活動拠点になり、
近隣の大学に通う学生と地元住民が共同で地域研究に取り組む
世代を越えたコラボレーションも根づいている様子。

都心に近いわりに緑と公園が多く、子育て中の家族や
健康志向の人に適した環境を保ちながら、
働くお母さんを支援するサービスなども充実して、
女性や子どもにとってもより暮らしやすいまちに。

21世紀の今、新たに生まれ変わろうとしている多摩を
歩いて、見て、聞いて。
まちの出来事や人々の暮らしを伝えながら、
小さなメディアとして私たちもまた学び、
地域とともに成長していけたらと願っています。

たまプレ!の「プレ」は、報道機関や出版(物)を
意味するプレス(press)を縮めたものです。
呼びやすく元気が出るような名称を、と考えて
「たまプレ!」と名付けました。

“ハイパーローカル多摩メディア”について

日本ではまだ耳慣れない「ハイパーローカル」(hyperlocal)
という言葉、米国では1990年代から使われ始めました。
直訳するなら「超地元」で、従来の地域メディアが
取り上げる範囲よりもさらに絞り込んだエリア、
極端な例では「ブロック単位」のようなごく狭い範囲の
話題の伝達に特化した媒体が登場し、
ハイパーローカル・ニュース、ハイパーローカル・サイト
などと呼ばれています。

ただし、米国と日本では国土の広さが違うように、
地方、地元の概念も異なります。
これからハイパーローカルが外来語化して
一般に使われるようになるなら、その過程で
日本独自の語義が加わっていく可能性もあるでしょう。
「たまプレ!」はメディア事業を通じて、
そうした日本的なハイパーローカルのあり方を
模索していけたら、と考えています。

多摩で地域の話題を集めて、地元の住民やお店、企業のみなさんに
有用なニュースや楽しめるコラムを届けながら、
それと同時に、
地域を超えて普遍的な価値のある情報を発信できたら――
“ハイパーローカル多摩メディア”
というキャッチフレーズに、そんな願いを込めました。

 

『たまプレ!』編集長 高森郁哉

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